☆玉砕しなかった兵士の手記 

    草思社 1988年(昭和63年)

著者:横田正平 1912年愛知県生まれ。

上智大学新聞科卒。同盟通信写真部に入り、昭和13年に従軍記者として中国戦線に赴く。昭和14年に東京新聞社編集局へ。昭和16年に召集の一兵卒として華中、満州、サイパンと転戦し、グアム島攻防戦の最後の段階で投降、ハワイの捕虜収容所へ。

昭和31年、朝日新聞社川崎支局長、32年に仙台支局デスク、37年千葉支局長、38年横浜支局長を歴任。のちに東京本社に戻り編集委員として「声」欄担当。昭和60年7月に病没。


いまの日本では想像もつかない非人間的な扱い、理不尽な軍隊ルール、著者が書き残した当時の状況が出版されたのは、その死後であった。多くの戦争体験者が語らずにこの世を去っていった中で、その証言記録があることは社会の宝であり、貴重なものであることを後世の人々にも認識していただきたい。