10月22日の総選挙に行こう!
-投票を通じて平和憲法を守ってください-
72年前に敗戦で終結した大東亜戦争には、私の父が陸軍の爆撃機に乗り、沖縄沖の爆撃に2度ほど出撃したそうです。
父が酒に酔うと、軍隊の時のことを語り軍歌をうたい、俺は天皇陛下とは言わない、天ちゃんというと言っていました。
そのような体験があったためでしょうか、2000年、私は不戦兵士・市民の会に入会しました。
当時、戦争を体験したベテランズは、かつて戦争に突き進んだ道を日本が再度歩もうとしていることを大いに危惧しておりました。
日本政府は、昨年、治安維持法の再来と危惧される「共謀罪」を国民の不安を拭い去ることなく成立させました。
2015年には「安全保障関連法」、2014年には「集団的自衛権行使を容認する解釈改憲の閣議決定」、2013年には「特定秘密保護法」、
不戦兵士・市民の会ではそれらの法案には反対しておりましたが、日本政府は順次成立させました。
そして今、集団自衛権行使の名目で海外での紛争に参戦できるようになった自衛隊の存在を認めさせる日本国憲法第9条の改憲提案です。
さらには、憲法第76条2項で設置が禁止された特別裁判所に該当する軍法会議(軍事裁判所)を自衛隊に設置して軍隊化することが見込まれます。
ここ数年、年老いた両親の書庫の整理をしており、多くの戦記物の本があることに気が付き、読み始めました。
それまでも不戦兵士・市民の会のメンバーが書いた本を読んでおりましたが、さらに多くの人々の戦争体験、証言に出会いました。
今は、「聞き書き・ある憲兵の記録」朝日新聞社山形支局(朝日新聞社1985年発行)を読んでおります。
「これはあなたの物語であったのかもしれない。東北の一寒村に生まれた心優しい青年が大日本帝国の優秀な憲兵となり、
満州国で反満抗日分子を弾圧・・・」という本で、心が折れそうになりながらも読み進めております。
英国での「ドイツの都市を爆撃すること」のアンケート結果では、ドイツの爆撃を受けた都市の英国市民ほど爆撃反対の意見が多かったそうです。
自分が体験したからこそ、都市の爆撃が市民に悲惨な被害を及ぼすこと、その理不尽さがわかるのだと思います。
「平和維持には軍備が必要、国民は平和ボケになっているので軍備の必要性が感じられないのだ。」というご意見もあると思います。
逆に、「戦争が様々な非人間的な惨禍を広範囲に長期にわたり生み出すこと」を忘れたが故に、経済成長優先の延長上に軍事力の増強を求めるのではないかと感じます。
いろいろなお考えがあるとは思いますが、10月22日の国政選挙では、「憲法前文と第9条の理念を守るため」に投票いただきたく、お願いするものです。
2017.10.15
大野幸正