A 私たちの歩みを振り返る


「私たちの思い」を整理してみよう!!  2017.10.15スタート

2018.1.8更新


 会のホームページでは、「私たちの思い」のコーナーに、これまでの声明文などを収録しています。

 来年、2018年1月が設立から30年の節目にあたりますので、声明文等を読み返し、私たちがどのような思いでもって世の中に考えを発信して来たのかを整理することにしました。その成果が、これからの活動の支えとなると思っています。

設立初期にさかのぼって、整理していきます。




1999.1.8 声明 憲法敵視発言の法相は直ちにやめよ

 「日本人は、連合国からいただいた、国の交戦権は認めない、自衛もできない、軍隊も持てないような憲法を作られた、それが改正できないという中でもがいている。」という発言が、1月4日の法務省賀詞交歓会で中村正三郎法務大臣の挨拶のなかにあった。

 この発言は、@この半世紀の間、国民は揺るぎなく支持をしている、A民主的・平和憲法として大多数の国民が歓迎して成立した、という点から誤りである。

 憲法は国の最高法規であって、国務大臣はこれを尊重し擁護する義務がある。法務大臣という最もその義務を重く負う職責にある者が、こうした発言をすれば、即座に辞任するのが当然の措置であり、さもなくば、小渕総理が罷免すべきである。

 我らは、日本が開始した先の大戦の戦場生き残り者として、この処置を強く要請する。



1998.08.01 新ガイドライン・有事立法に反対する声明

 4月28日、政府は新ガイドラインという戦争マニュアルを法制化する「周辺事態法案」、「自衛隊改正法案」、「日米物品役務相互提供協定改定案」を第142通常国会に提出した。アメリカが引き起こす戦争に国を挙げて参戦・協力する、まさに「アメリカ有事参戦法」というべき諸法案で、その施行に国会の承認を必要しないという驚くべき法案である。

 自衛隊の存在を正当化するために強調してきた「専守防衛」すらかなぐり捨てるもので、米軍の戦争に自衛隊が協力することを意味し、実質的な参戦行為そのものである。

 去る6月18日、法案は一応継続審議とされて通常国会は閉会し、7月12日の参議院選挙で自民党は歴史的敗北を喫したが、これは財界優先の腐敗した反国民的自民党政治への国民の強い批判を示すものである。

 われわれは、継続審議となったこの諸法案の廃案を強く要求するものである。



1997.06.11 声明 暗黒時代を想わせる日米防衛ガイドライン見直しに反対する

 軍国主義に熱中して内外に大戦禍を招いた愚に学んで軍隊なく戦争放棄の平和憲法が今年は施行50周年だというのに、今度発表された日米防衛ガイドライン見直しの中間報告は、まったく正反対の方向を示し、日本に米国が演出する「有事」に全面協力させる体制整備(法整備等で軍事体制)を迫っている。

 すでに、米軍用地等特別措置法で憲法に規定されている財産権は制約されているが、「有事」はもちろん平時でも、民主主義、基本的人権、地方自治などの憲法の根幹は、演習や訓練などでじゅうりんされることは、明らかで、極めて深刻な事態が想定される。

 われら戦争体験者は、武力行使の凄惨さのみならず、日常生活に与える深刻な不自由と苦難を想起せざるをえない。ガイドラインの見直しは、大多数の民族のためにも、我ら戦争生き残りの責任としても、絶対に反対する。



1996.4.26 声明 かつて「東洋平和」、いま「アジア・太平洋地域の平和と安全」    ―日米安保共同宣言に強く抗議する―


 4月17日の東京における「日米安保共同宣言」には、以下のような内容が含まれている。

 1. 主目的を「ソ連の脅威に対処」から「アジア・太平洋地域の平和と安全を保障」に改定

 2. 日米共同行動の範囲を「対日武力攻撃のない場合でも日本の領域外」に拡大

 3. 「21世紀に向けての同盟」による、次の半世紀にわたる継続、固定化

 アメリカ政府は、アメリカによる紛れもない侵略戦争であったベトナム戦争を「たたえられるべきコミットメント」と強弁する歴史観にたっており、橋本首相はこの点に関しても「日米共通の価値観」を表明している。

 われわれ不戦兵士の会は、かつて「東洋平和のため」と称するアジア侵略・植民地化の戦争に駆り出され、九死の中から生還したものが結成した団体であり、今日ふたたび「アジア・太平洋地域の平和と安全のため」などといかがわしい「大義」に惑わされるものではない。

 平和憲法に背き、国会にも諮らず、日米安保体制をいっそう危険な方向で長期的に固定化しようとする日本政府に強く抗議するものである。



1996.03.29 ?声明 理もなく情もない迎合は断固許さず 「沖縄・米軍用地裁判」の判決に抗議する


 福岡高裁那覇支部は、3月25日、米軍用地強制使用のための「代理署名」を拒否する大田沖縄県知事が国を訴えた裁判で、知事に代理署名を命じる国側勝訴の判決をした。

 沖縄戦の悲劇と土地強奪の不法な手段で築かれた米軍基地が、戦後50年の現在も住民の平和的生存権、財産権をじゅうりんし、地域の振興開発を阻害しているという事態は、知事のいうとおり放置できるものではない。

 判決は、沖縄の実体論を避け、安保条約も地位協定も、米軍用地収用特別措置法も違憲と判断できないとし、平和的生存権についても、抽象的で憲法上各個人に保障された具体的な権利ということはできない断じ、代理署名拒否は公益に著しく反するなどと判断した。県側が要請した実質審理を拒否し、たった4回の口頭弁論で結審した。

 判決の翌日未明、政府は読谷村の米海軍楚辺通信所の周囲1kmに二重のフェンスを構築する工事を始めた。朝鮮半島・台湾海峡の緊迫は政治問題であり、これらを理由として軍事力の維持を唱えるのは的外れの口実で、真の理由は、米・日とも国内少数の支配層の利益のための覇権主義を貫く意図にもとづくものである。

 このままでは沖縄の悲願が実る日もなく、他の日本全土も米軍の枷が外される見通しがつかない。しかし、たたかいは始まったばかりである。基地のない日本を展望する第一歩として、我ら戦争地獄生還者は、今回の判決に心底から抗議する。



1995.03.31 要請 「国会で不戦決議を」


 敗戦後50年という節目の年を迎えて、いま国会で、戦争を反省し不戦を誓う決議をするか否かで、さまざまな思惑が入り乱れ、「不戦」はおろか「平和」の決議案すら、その上程に漕ぎつけ得るかどうか、予断を許さない状況と見受けられます。

 戦後の日本は、ポツダム宣言の受諾による無条件降伏から出発しました。この宣言は日本の非軍事化と民主化を要求し、日本国民の大多数は、これを誠意をもって実行することを世界に対し、または自らに対し心から誓約したのです。「日本国憲法」はこの厳粛な誓約を国の最高法規として成文化したものであります。

 しかるに、世界有数の大国となった日本にあって、敗戦時の原点を忘れて奢り高ぶり、平和と民主の憲法を忌避する政治家や言論人の排出には驚きと悲しみを覚えざるを得ません。

 われわれは、ここに国会が以下のことを盛り込んだ決議をされるように要請いたします。

 一、侵略戦争の反省と、関係諸国民への謝罪

 一、被害を確認したアジアその他の人々への補償

 一、日本国憲法の堅持と不戦の誓い



1994.09.30 声明「日本の安保理常任理事国入りに反対する」


 河野外相は9月27日、国連総会の一般討論演説で、日本が安保理常任理事国入りの希望を持つことを表明したが、われわれ不戦兵士の会は以下の理由によりこれに反対し、強く抗議する。

1.政府が性急に常任理事国入りをめざす裏には、アメリカの目下の同盟国として、先進国中心の世界秩序維持に積極的役割を果たそうとする支配層の「国家意思」がはたらいている。

2.常任理事国には国連の軍事活動を決定し実行する「軍事参謀委員会」への参加が義務付けられており、国連の軍事活動、武力行使に責任を負うことになる。これは日本国憲法第9条に明らかに違反する。

3.国民向けの「国連改革」は政府の単なる修辞に過ぎず、1970-80年代における国連投票において日本は異常なまでに突出した対米追随に終始している。このような日本政府には、圧倒的多数のアジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国の立場を踏まえた真に民主的な国連改革への貢献は期待できない。

4.半世紀を経た今日も「侵略戦争」と認めることを固くなに拒否する日本政府が担うような国が「世界の安全保障に責任を負う安保理」の常任理事国となることは一種のブラックジョークである。



1994.05.09 声明 「羽田内閣は速やかに国会を解散し国民に信を問え」

       ―少数与党内閣に重大施策を強行する権利はない―      


われわれ不戦兵士の会は、次の理由により、羽田新政権が速やかに国会を解散し、総選挙によって国民に信を問うことを要求する。

1.首相指名時の基盤であった前細川政権の八党派連立に組み換えがあった

 ・首相指名直後に社会党を排除した新統一会派「改新」を結成

 ・野党であった自民党からの鞍替え議員を受け入れ、その一人に外相ポストを与えた

2.社会党が離脱して少数与党となり、反民主主義的政策をさらに推し進めている

 ・「間接税の税率引上げ」と称して消費税の引上げを企図

 ・「北朝鮮の脅威」を喧伝して日米韓の「有事」の軍事的体制への組み込み

3.不適格な法務大臣の任命

 ・羽田首相が任命した永野茂門法相は戦前戦後一貫した職業軍人で戦前的価値観を保持

   自衛隊在職時代から有事立法研究の中心的人物

   「専守防衛」の否定、改憲、徴兵制の必要性を示唆する発言

   「南京大虐殺はでっち上げ」、「侵略戦争というのは間違い」などと公言

4.以上の永野発言は一個人の失言ではなく新生党主導の羽田政権の危険な本質



1994.4.16 声明 「邦人救出に自衛隊の航空機・艦船を使用する法改正に反対」


緊急時に海外の日本人を救出するため政府専用機または自衛隊機の使用を可能にする自衛隊改正法案は、先の臨時国会で継続審議となっていたが、今国会で平成6年度予算案と同時審議入りが予定され、しかも朝鮮民主主義人民共和国の核開発技疑惑をめぐり情勢緊迫した場合には自衛隊の艦船使用も含めることも検討されているという。

 私たち「15年戦争」を検証した者の目から見ると、明治以降の日本戦争は日本の戦争は、いつでも海外日本人の保護を理由として始まっている史実が明白で、今回の自衛隊機派遣の計画も、そうした歴史の再版となる確率を否定できないと推測する。

 史上最大の犠牲の上に成り立ち世界に誇るべき憲法を自ら破り、さらに実際問題として多くの矛盾に満ち、将来の大きな危険に道を開く自衛隊機等の海外派遣を法律上可能にすることには、私たちはやむにやまれぬ憂いを抱き、衷心より反対する。

【反対理由(箇条書き)】

・「派兵」という国の一大事が外務大臣と防衛庁長官の判断で可能となることは憲法第9条が空文化されるに等しい。

・「完全かつ排他的な主権を有する」相手国の領空では民間機でも撃墜されかねないが、軍用機の場合にはそれを増幅することになり、両国間に深いしこりを残すことになる。

・飛行経路に当たる国々の飛行許可が騒乱時には軍用機では得にくい。

・1万時間以上の国際線飛行経験を有するパイロットを数百人も擁し世界の空を知り尽くしている民間航空会社と自衛隊とでは、高度の判断を必要とする緊急時に2次災害防止の面からも民間機が的確である。



☆1993.11.16 共同声明 「国民の意思を無視した政治改革四法案に
       反対し、企業・団体献金の完全廃止と腐敗防止法の
       制定を求めます」

 今国会最大の課題である政治改革法案は、11月16日、衆院政治改革特別委員会で可決されました。今回の法案は、金権腐敗政治の根絶策を選挙制度にすり替えたものとなっています。
 今回の法案には以下のような問題点があります。
@小選挙区比例並立制では死票が多く、女性の政治参加を後退させ、少数意見を排除する
A衆参とも同様な選挙制度をとるのは二院制の特徴を生かせない
B政党への公的助成は自らが支持してもいない政党に資金を提供することになる
C政党の条件を「現職議員5人以上、あるいは国会議員を有しかつ直近の選挙で3%以上の得票率」としているのは小政党排除につながる
 根本的な選挙制度のありかたに関する議論もなく採決されてしまったことに強く抗議するとともに、真の政治改革を行うために、企業・団体からの政治資金を政党や政党の政治資金団体に対しても即時全面禁止とすることを求めるとともに、政治とカネの違法な関係を断ち切るため、政治腐敗防止法の早期制定を求めます。


1993.09.06 共同声明 「本当の政治改革を実現するために
       企業・団体献金の完全禁止と腐敗防止法の制定を!」
        ―小選挙区制導入と政党公費助成に異議あり―

 新たに誕生した八党会派連立の「細川政権」に対して、当会も参加する「ストップ・ザ・汚職議員・汚職に関係した候補者に投票しない運動をすすめる会」では、小選挙区導入を優先課題としたことを抗議して共同声明を発表して細川首相に送付した。(以下に一部抜粋)

『連立与党案では、金権腐敗政治を根絶させるために、企業・団体献金の禁止が、政治家個人と政治家自身の資金管理団体に対して即時全面禁止とするものの、政党・政治資金団体に対しては5年間棚上げし、今後の保証は何もないということであります。そして、その見返りとして政党への公費助成が登場しています。・・・私たちは、企業・団体献金の完全禁止こそ政治改革の最優先課題であることを改めて強く主張し、早急に次のことに取り込むことを訴えます。
・国民の圧倒的多くの願いにもとづき、政党や政治資金団体に関しても企業・団体献金の即時禁止を実施すること。
・政治腐敗防止法を制定し、二度と金権腐敗政治が繰り返されないようにすること。
・政党への企業・団体献金を温存しながら、公的助成を行うのは反対である。政党は支持者個人からの浄財でまかなうこと。』


☆1993.05.06 声明 「ふたたび小選挙区制策動に反対する」

 2年前当会は、海部自民党内閣による小選挙区・比例代表並立制を中心とする「政治改革」案に反対の意思表示をした。当時、自民党政府と一部野党は、新たな米国主導下の「国連中心主義」「国際貢献」論に立って国連PKO(平和維持活動)への自衛隊参加を目論んでいた。
 今回「比例代表」部分すら抜きの「単純小選挙区制」案としてよみがえった。今日の最大の政治課題は、民主主義の根底を揺るがす政界腐敗構造の一掃でなければならない。真の政治改革とは、政・財・官の癒着という腐敗構造の根源を断つ企業・団体献金の禁止と、現行選挙区での一票格差の抜本是正によって、民主主義を機能させることである。
 これをことさらにサボり、小選挙区制論の小異スリ合わせが図られた後に来るものはないか。それは解釈改憲の衣を脱ぎ捨てた公然たる改憲と、戦前と同様の「政府・軍・報道機関」の三位一体化による民権抑圧への道であろう。
 さきの戦前戦中の政治過程と戦争の悲惨を身にしみて経験したわれわれは、エセ政治改革=小選挙区制の策動に断固反対するものである。


☆1993.03.22 声明 「家永第一次訴訟最高裁判決に抗議する」

 家永三郎氏が書いた62・63年度高校用社会科教科書「新日本史」が検定不合格となり大幅な修正を迫られた。氏は歴史の真実と国民の将来のために、65年に原告として国家賠償請求訴訟を起こし、最高裁判決が28年目に出された。
 大法廷での審理や口頭弁論が1回もないまま、抜き打ち的に小法廷で出された最高裁判決は二審判決をそのまま踏襲した行政追随の判決で、「上告棄却」であった。
 教科書検定の中身は、侵略戦争の真実とその悲惨さをすべて否定し去ろうとしている。「無謀な戦争」等戦争に関する個別箇所が争点になっていたにもかかわらず、一切これらについての具体的検討を行うことなく、検定をすべて合憲、合法であるとした。
 思い起こしてほしい。国定の教科書によってすでに児童のうちから国定の思想を植え付けられ、批判力を奪われた国民が、あの侵略戦争を「聖戦」と思いこまされて、「国策」に積極協力し、あげくに内外に大惨禍をもたらした。
 歴史の教訓に学ばず、日米安保の下、自衛隊のPKO参加、「皇室慶事」、教科書の国定化等、滔々たる保守化の流れの中、やがては改憲へとつながり、なりふり構わぬ覇道につながることは必至であろう。
この度の判決に対しては、戦争生き残り世代として、断固抗議するものである。


☆1992.09.16 声明 「二枚舌外交の仕上げ・天皇訪中に反対する」

 新聞では天皇の訪中を「両国間の深い溝となっている不幸な歴史に区切りをつけ、未来へ道を切り開く新時代の出発点として極めて意義深い」と述べて歓迎し、期待を表明している。

 いったい「不幸な歴史」を作ったのは誰なのか。少なくとも15年の日中戦争は、決してそのような言葉で片づけ得るような自然現象的出来事ではなかったはずである。日本の国家と国民が「歴史に区切りをつける」ことのできる唯一の方途は、侵略戦争としての歴史的事実を内外に公的に認め、言葉でなく行動によって反省の実を示すことにある。

 アメリカの都合で日本の戦争責任追及を中止したこと等により、「昭和天皇」は自ら指導した侵略戦争を「不幸な出来事」と、まるで天災なみに扱うことができ、ついに隣国に一言の謝罪もせずに世を去った。ここに日本の顕著な道義的荒廃の原点があると言わざるをえない。

 日本国憲法に忠実であるかぎり、現天皇には外交大権は認められず、したがって日本の戦争責任を認めたり、あるいは否認する政治的行為も当然許されない。

 日中両国政府のそれぞれの政治的思惑の一致により「区切りをつける」ことは、「過去の歴史への真の反省をまず行動で示すことによってのみ、日本と他のアジア諸国民との善隣友好が可能」と考える心ある立場とは真っ向から対立するものと言わざるをえない。



☆1992.04.25 声明 「かさねてPKO協力法案の廃案を要求する」


 1991年12月、強行採決により衆議院を通過させた後、さらに公、民連合参議院の協力のもとに参議院での継続審議に持ち込み、今国会で法案を通過させようとしています。

 私たちは国連の平和維持活動(PKO)そのものに反対するものではありませんが、自衛隊を中心に据えたPKOへの参加については、以下の理由で絶対に反対します。

@ 日本国政府は、軍国主義と国家主義の下でかつて行われた侵略戦争と非人道的行為の歴史的事実を認めずに、戦後世代に偽りの歴史教育を施してきています。

A 政府自民党が言う「国連中心主義」はアメリカの動きに追随するもので、かつてはアメリカ同様に、地域平和主義や平和維持活動に反対または消極的でした。

B 「国連の平和維持活動への惨禍に自衛隊を」と言う政府自民党の真の狙いは、国連への協力ではなくて、米軍を中心とする多国籍軍への参加であることが明らかです。

 この法案は、アジア・太平洋全域の諸民族に大惨禍をもたらしたあの歴史の教訓を冷笑し、真に平和を愛する内外の庶民の上にふたたび軍事優先の覇道を押し付けるという許しがたい企てなのです。



☆1990.10.11 声明 「自衛隊の海外派遣に反対する」

    ―青年を戦場に送るな― 「不戦兵士の会」の心からの忠告


 政府の「国連平和協力法案」による自衛隊の海外派兵に絶対反対します。法案では、国連平和協力と言いつつも国連軍は存在していません。あるのは武力行使を目的とする米国主導の多国籍軍だけで、指揮命令系統も極めて不明確なものです。

 このような多国籍軍に協力するため自衛隊を海外に派遣するのは、明らかに集団的自衛権の行使にあたり、我が国の憲法とその精神に違反します。

 政府が選択すべきは平和維持活動(PKO)への非軍事的組織の参加です。PKOは軍事的に対立する紛争当事者のいずれにも加担せずに、当事者の同意を得て非同盟中立の立場の下に行う任務で、敵対行為の停止の確保と監視、治安維持の警察的活動、兵器の引き離し課程の管理等の活動があります。

日本はPKOを築き上げてきた北欧諸国に協力してPKOの憲章化に努力するとともに、難民救済や周辺諸国の援助等、民生分野に限っての国連協力を行うべきです。このような協力であれば、武器は要らず、自衛隊の派遣も不要となります。

 戦争がいかなるものか、戦争への道がいかに準備されていったのかを知っているが故に、「青年たちを戦場に送るような平和協力隊」の創設を断じて許すことができません。