ジミー 心の日記 |
| Jimmy's Diary |
俺の名はジミー。この春、カンザスからド田舎のネブラスカまでやってきた。
嫌な思い出ばかりの故郷から離れて、誰も俺を知らない場所で一旗あげたかったからだ。
今の仕事はPony Expressのライダー。俺の銃の腕が役に立つと思ったが、
実際の仕事は泥くさい肉体労働ばかりで、小うるさいオヤジにいつも怒鳴られている。
だが、この西部では実にさまざまな事件が起こって退屈することがない。
そこで俺は日記をつけることにした。といっても、俺は読み書きができない。
仕方がないので、心の中に日記帳を作ってそこに書くことにする。いつの日か
字が書けるようになったら、書き残しておこうと思う。
1860年
3月×日(晴れ)
Sweetwaterの中継所に、応募してきたライダーが揃った。
俺の見る限りでは、俺より銃の腕が上の奴はいないようだ。
だがビリーという奴のライフルは侮れない。
それからキッドっていう奴は堅そうだから、挑戦し甲斐があるかもしれない。
中に一人だけ、まだ子供のようにきゃしゃな奴がいる。ルーという名だ。
力がないくせに、俺たちに負けまいと必死でつっぱってる姿がどこか可愛い。
4月×日(晴れ)
今日は気分がむしゃくしゃしていたので、キッドに銃の腕試しを挑んだ。
キッドは最初嫌がっていたが、やってみると案外といい腕をしている。
実はそのときちょうど帰ってきたルーに、俺の腕を見せびらかしたい気持ちもあった。
なんだか、この中継所ではキッドがリーダー格になりつつあるので、
俺としては、「俺の方が頼りになるぞ」と言いたかったのかもしれない。
4月×日(晴れ)
今日は初めて本物の戦闘を経験した。
相手はこの辺りで強盗をはたらいている一味で、俺たちの馬を盗んだんだ。
そのとき仕事中だったルーは背中から撃たれた。
幸い大事には至らない傷だったが。俺がその場にいたら撃ち返してやったのに。
奴は健気にも、傷ついた体で俺たちと一緒に戦闘に加わった。
俺はどうも奴が気になり、かばってやりたくなってしまう。
今日も気がつくと、ルーの隣で戦っていた。別に向こうも嫌がっていないからよしとするか。
5月×日(晴れ)
困った。この頃やたらとルーの姿が目について気になる。
奴がいると、思わず姿を目で追ってしまう。気がつくと隣にいってしまう。
相手がまだ少年だから心配しているのか?いや、それとは違う気がする。
奴は案外きれいな顔をしている、そのせいか?
世の中には、男が美少年を愛するというケースもあるらしいが、俺は男より女の方が断然好きだ。
この女っ気のない(エマはいるが、相手にしちゃくれないし、サムもいる)場所で、
むさ苦しい男たちに囲まれているから、変になったんだろうか。
もしかしたら病気かもしれない…。
5月×日(晴れ)
最近おかしなことに気がついた。
変なのは俺だけではない。キッドもルーを追っている。
というか、おかしな目でルーを見ている。
もしかして、奴はその趣味の持ち主なんだろうか。
それが俺にも伝染したんだろうか。
二人だけでどこかに行ったりすることもあるようだ。
一体どこで何をしているんだろう。
余計なお世話と思いながら、気にならずにいられない。
俺はやっぱり病気かもしれない。
5月×日(晴れ)
なんてこった!!まったく、どうしてこんなことが!
ルーは女だった。
そして、キッドは最初からそれを知っていたらしい。
女の姿を見たわけではないが、彼の、いや彼女の父親という人が
ルーを娘だと認めたのを目の前で見てしまった。
そうか、よく見てみれば、あれは女の顔だ。
まったく、全然きづかなかった俺は間抜けだ。
悔しいのは、キッドはそれを知っていながら自分だけの秘密にして
彼女とのデートなどを楽しんでいたらしい。
それで、キッドがルーを見る目が違っていたのか。
俺も最初から知ってさえいれば…。
残念ながら、二人は既にもうできているらしい。
ルーが女性だったことは嬉しいが、既に俺にはチャンスがないようだ。
それでも仲間だし、大事だと思う気持ちには変わらない。
これからも影で見守っていけたらと思う。
あぁ、俺ってなんてお人よしなんだろう。
6月×日(晴れ)
今週は俺達が大活躍した週だった。
ことの始まりはショーネシーの中継所が何者かに焼き討ちされたことだった。
ライダー仲間が殺されたのは本当に残念だった。
俺だったらこんなに簡単に殺されはしないだろう。
帰ってこないキッドを必要以上に心配するルーを見てちょっと妬けたが、
俺だって、やっぱりキッドが戻ったことは嬉しかった。
犯人の捜索には、俺とルーが手柄をあげた。
スネークマンを見つけだし、彼らのアジトを見つけたのだ。
ちょっとした間違いで捕まってしまったが、すぐに自力で脱出した。
しかし、大事なときにルーがバカなことを話してしまって冷や汗ものだった。
やはり女は拷問に弱いものらしい。それでも俺達は最高のコンビだ。
キッドがいるからって仲良くしちゃ悪い訳もないだろう。
6月×日(晴れ)
とうとう女性とキスをしてしまった。相手はなんとエマだ。
最初は俺のことなど相手にしていないと思っていたのに、
向こうも結構俺を気に入っていたらしい。
やはり大人の女性はいい。
でも、エマにはやはりサムがいる。
俺とは特別な友達でいたい、と言った。友達なんてくそ食らえだ。
結局俺はエマのことも影で見守っていくしかないのか。
ナイト役なんて聞こえはいいが、結局俺ってバカなのかな。
6月×日(晴れ)
俺に初めて恋人ができた。名前はセーラ。すごい美人だ。
森で出会ったのが最初。明日も会うのが楽しみだ。
6月×日(晴れ)
騙された!セーラは結婚していた。
セーラの父親だと思った男が実は夫だった。なんであんな男と。
それに、ルーのお節介と来たら、頭にくる。まったく...。
なんで俺はこんなに女運がないんだろう。
6月×日(晴れ)
セーラは夫に酷い目に遭わされているらしい。
そうだったのか。それならセーラと逃げるまでだ。
せっかくの仕事を捨てるのは残念だが、セーラより大事なものはない。
キッドたちは俺がバカだと言うが、何もわかっていないのは奴らの方だ。
6月×日(晴れ)
もう何が何だかわからなくなった。
セーラの夫を殺したのは俺じゃない。だけど俺は牢の中だ。
セーラを信じている。他のやつらの言うことなど聞きたくない。
しかし、一体何が起こっているのかわからない。
6月×日(晴れ)
セーラが結婚詐欺師だと聞いた。信じられない。
少なくとも、俺への気持ちは本当だったはずだ。
馬車で連れていかれたセーラは、人が違ったように俺への気持ちを否定した。
でも、俺は信じない。俺達は互いに好きだったはず。
なんでこんなに苦しまなければならないんだ。
俺が一体何をしたっていうんだ。
もう二度と恋なんてしたくない。
こんなに辛いことばかりしかないのなら、しばらく日記も書かないことにする。
いつの日か、もっと幸せな恋ができたら、と思う。
(とりあえず、おわり)
「わが名はブルドッグ」のアンブローズ・メリーウェザーが書いていた日記にヒントを得て、ジミーが日記を書いたらこんなことを書くかなぁ、と思ったことをまとめてみました。とりあえず、第一シーズンの途中までですが、気がつくと女性のことばかり書いてしまっています。青春してますよね、ジミー。
ジミー役のJosh Brolinも日記を書いているそうな。
Young Ridersの撮影をしていた時期に、どんなことを書いていたのかわかったらいいのになぁと思います。