呼称・九段下ビル (近代建築シリーズ)
場所・東京都千代田区
今回は都内にある近代建築を訪ねる。
帝都高速度交通営団 九段下駅から徒歩二分。
古風な三階建てのビルヂング。
廃墟風の建物だが、テナントも入る立派な現役ビル。
同潤會アパートと同じく関東大震災復興事業の一環として建てられたそうだ。
昭和二年生まれ 七九歳。
ガラス張りのつまらない高層ビルに慣れた目にはとても新鮮だ。
なんともかわいらしい雰囲気のエントランス。
内部は廃墟の雰囲気そのもの。
廊下には蛍光灯がともる。
壁の雰囲気も熟成の領域。
踊り場にはちょっとした水場が配されていた。
工事中?ビニールシートと資材が散乱していた。
裸電球が灯る部屋。
不衛生な空間 白いタイル。
喫煙ルーム。
蛍光灯が灯らなければ、ここは廃墟。
怖いものみたさ。
内部を見て思ったこと。
近代建築は、大事に守られているようなイメージがあった。
でも、ここは違う。
住む上での最低限の改修もおこなわれていない。
それは、この建物の死期が迫っているということではないのか。
いつ解体がはじまってもおかしくないような雰囲気。立地条件。
廃墟が残りにくい都心部には、こうした準廃墟がごろごろしている。
死期が迫る彼らを写真に留めるのも大事なことだろう。
形がある物には終わりがある、建物が一生を終えるのは仕方ない事だ。
でも、もう少し もう少しだけ。
そのままでいて欲しい。