五葉松の植替えは基本的に3月中旬におこないます。まずは古い鉢から抜いた五葉松の根張りを美しく出します。次に長く伸びた根を整理します。(注意:根は垂直にはさみで切って下さい。)新しい鉢の鉢底に赤玉大粒か中粒などの粗めの土を敷きます。その上に用土を敷きます。用土は<赤玉中粒3、赤玉小粒3、桐生砂3、腐葉土1>そしたら五葉松を入れて良く擦り付けて用土と根底を馴染ませます。次に用土を入れたら割り箸などで良く突き用土と根を馴染ませます。最後に用土の表面に化粧砂や苔を敷きます。全ての作業が終わったら、鉢底から流れるくらいにたっぷりと水をあげて下さい。
銘:弥勒
樹齢:40年
樹高:54cm
樹幅:52cm
コメント:銀葉五葉
銘:九重
樹齢:55年(推定)
樹高:72cm
樹幅:76cm
コメント:九重もの
銘:優姿
樹齢:20年
樹高:50cm
樹幅:45cm
コメント:整姿段階
五葉松は山奥の斜面や崖地に風雪に耐えながら自生しています。そうした過酷な環境に耐えて育った五葉松は盆栽として比較的育てやすい樹木で手間もかかりません。盆栽愛好家ならどなたでも1鉢はあると思います。あなたも1鉢育ててみてはいかがですか。
5月の連休頃に五葉松の新芽が大きく伸びてきます。このままにしておくと間延びした枝になってしまいます。そこでみどり芽を摘みます。方法はみどり芽の元から5芽残して指で折ります。一箇所から2本みどり芽が出ている場合でも全て元から5芽残して折ります。一箇所から3本出ている場合は真ん中の1本を元から切り2本残し、その2本を元から5芽残して折ります。一箇所から3本以上出ている場合でも同様に2本残して折ります。但し5芽に満たないひ弱な芽はそのままにしておきます。(注意:はさみで切ると枯れ込むことがありますので、はさみは使わないで下さい。)
五葉松は秋になると自ら古葉を落としますので手間がかかりませんが、それでも昨年葉が若干残りますので、その昨年葉をピンセットで抜き取ります。五葉松は黒松と比べて割と簡単に抜き取れますので安心しておこなって下さい。
五葉松は上記のように過酷な環境で自生していますので、黒松と比べてあまり肥料を欲しがりません。目安として3月、5月、9月、10月、そして11月に固形肥料(有機肥料)を与えます。(注意:1回に与える量が多すぎないこと。春と比べて秋のほうが多めに与えること。(冬越しの体力をつけるため))
黒松は大変水を欲しがる性質で水やりを欠かせませんが、それと比べて五葉松はあまり水を与え過ぎるとかえって根腐れを起こしますので注意が必要です。基本的には土の表面が乾いたら水を与えます。目安として春〜秋は毎朝1回、特に夏の暑い盛りは朝晩2回、冬は2〜3日に1回程度が良いでしょう。
五葉松は今年伸びた枝先に枝葉が密着しごっつくなります。このままにしておくとバランスの悪い姿になってしまいます。そので、このごっつくなった枝先を整理し余計な小枝や古葉を剪定します。11月になると五葉松は自然に古葉を落としますからこの時期に剪定も行って下さい。また、樹形全体を眺め、全体の輪郭から飛び出ている枝や、車枝や平行枝などの忌み枝も剪定します。