盆栽は盆(浅い鉢)の中の小さな自然です。小さな自然を眺めていると心が落ち着きます。ましてや自分が丹精込めて育てた盆栽となると愛着がわきます。盆栽を眺めて楽しむのもよし、自分で盆栽を育てて楽しむのもよしです。でも、せっかく盆栽とお友達になるのなら、盆の中の小さな自然を創造する、まさに芸術作品を作り出す楽しみを味わってみませんか。
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けやきの冬の様子
5.[基本的な技術]
剪定方法や芽切りや植替え方法など盆樹の種類によって異なりますので、詳しくは黒松やさつき等種類別にご覧下さい。ここではあくまでも基本的な部分をご紹介します。
植替え:植替え時期:多くの盆樹は春のお彼岸の頃に植替えを行います。
春に植替えを行うとその後新しい根が伸び秋までには盆樹が
充実するからです。しかし花を楽しむさつきは花芽を痛めない
意味から花後に植替えを行います。またボケの種類は春に
植替えを行うと根の病気になりやすいので秋9月の上旬に
行います。
植替えの用土は盆樹によって異なりますので、ここでは一般的な
用土を紹介します。黒松は砂(桐生砂や川砂)を多めに赤玉土と
混ぜます。五葉松は赤玉を多めに桐生砂と混ぜます。
さつきは鹿沼土単用です。雑木類は赤玉を主体にします。
(詳しくは各盆樹の種類別にご覧下さい。)
植替え方法:鉢の底に粗めの土を薄く敷きます。その上に用土を
敷きます。次に根を整理した盆樹をすり込むように用土に
馴染ませます。この時盆樹の正面と鉢の向きを間違えないように気を
つけます。盆樹がすっかり安定したら鉢穴から通した針金で
盆樹の根を固定します。そしたら残りの用土を鉢の上まで
入れます。入れ終わったら竹箸などで用土をよく突っつき
用土と根を馴染ませます。用土が沈んだら足します。
用土が鉢の縁よりやや低めにしウォータースペースを作ります。
最後に用土の表面に苔を敷いたり化粧砂を敷いたりします。
水やり :昔から水やり3年と言って水やりは簡単なようでなかなか難しい
もので、水やりを失敗すると大切な盆栽を枯らしてしまいます。
盆栽の水やりの基本は用土が乾いたら鉢底から水が流れ出る
位にたっぷりと水を与えることです。盆栽の中でも特に黒松とさつきは
水を欲しがりますので水やりは欠かせません。盆樹によって水の与え方が
異なりますが、一般的には春と秋は毎朝一回たっぷりと与えます。
夏は用土がよく乾くので毎日朝夕2回たっぷりと与えます。
また夕方与える時は盆樹の頭から水をかけ盆栽全体の温度を下げます。
冬は2〜3日に一回たっぷりと与えます。また、梅雨時は盆栽が毎日
じめじめして根腐れを起しやすいので用土を良く見て水やりを控えるようにします。
盆栽とお友達になるために基礎的な知識をお伝えします。ご参考にして下さい。